曇り空の黄色

ICU高校のネクタイの色だそうです

違国日記のこと

ヤマシタトモコ(2017), 『違国日記1』, 祥伝社.

ヤマシタトモコ(2018), 『違国日記2』, 祥伝社.

何気なくタイトルを埋めた後、本文を書き出して初めて「異国日記」ではなく「違国日記」であることに気づいた。

ちょっと検索すると、「異なる」はdifferentを意味するが「違う」はdifferentの他にwrongの意味を含むらしい。この語義の差が作品に関係するかどうかは今のところ分からないが、この漫画は単純に面白いと思った。

一番意外だったのは、槙生のキャラクターである。

漫画の帯や広告には

『不器用女王と子犬のような姪が おくる年の差同居譚。』

とあるので、読むまでは槙生はもっと人間味のない怖いキャラクターだと思っていたが、実際は不器用な人見知りで人間っぽさの溢れる人だった。

Amazonレビューで、朝のキャラクターが15歳の設定にしては幼すぎると書かれていたが、私は15歳なんてこんなものだよなと感じた。実家で出されていた食事がちゃんとしていたことに無自覚なこと、美味しかったのは覚えているが何を食べていたかは思い出せないこと、餃子の具の材料がわからないこと、私も全部覚えがある。朝のような家庭(おそらく私立の中高一貫校に通えるほどの経済力がある)の子どもなら、普通だと思う。ひどくリアルだなとさえ思った。

また、違うレビューで「百合漫画から飛んできた」「百合漫画としても読める」的な記述があったが、誰と誰がカップリングされるのか、私にはわからない。槙生と朝? 槙生とダイゴ? いわゆる百合漫画をほとんど読んでこなかったから嗅覚が鈍いのだろうか。

ちなみに、はじめにこの漫画を最寄駅近くの小さな本屋で探したとき、2巻が出たてのタイミングだったからか2巻は平積みされていたが、1巻は置いていなかった。2巻を手にとり店員さんに「コレの1巻はないか」と尋ねたとき「ああ、違国日記はなあ〜、入れたは入れたんだけど…」みたいな、心理的に作品にすごく近い口ぶりだったのが印象的だった。結局その日は買わなかったが、1週間後くらいにまた行ったら1巻が一冊だけ入荷されていたのでまとめて買った。その日は前回の店員さんはいなかったけど、入れてくださった1巻、間違いなく買いましたからね、という気持ちは置いてきた。から、伝わっていてほしい。

ブログなんて、小学生の時の意味のわからないお遊び以来でどうにも書き方が掴めない。味気のない文章だと自分でも思う。